親族や身内が亡くなった際、遺された家族は故人の持ち物(遺品)の整理に直面します。
遺品が大量に存在する場合、その全てを整理するのは相当な時間と労力を必要とします。そのため、作業を計画的に進めることが重要です。
今回は、福岡市での遺品整理の方法や具体的なステップ、そしてポイントについて説明します。
遺品整理の適切なタイミング
遺品整理のタイミングは一概には定められません。 しかし、故人のライフスタイルにより、早期の整理が必要な場合もあります。 ここでは、遺品整理の適切なタイミングをケース別にご紹介します。
賃貸住宅で一人暮らしの場合
不動産会社との賃貸借契約は、借り主が亡くなっても終了せず、相続人に引き継がれます。 そのため、遺品整理に時間がかかると、家賃の負担が増大します。法要などの儀式を終えたら、早めに遺品を整理することが求められます。
例えば、仏教では、死後四十九日間は故人の魂がこの世をさまよっているとされています。そのため、四十九日の法要を待ってから遺品整理を開始する人も多いですが、賃貸物件を早く返却したい場合は、四十九日前に遺品整理を始めても問題ありません。
しかし、遺品の量によっては短期間での整理が難しい場合もあります。最初に大体のスケジュールを作り、契約終了のタイミングを決定することが重要です。
自宅に住んでいた場合
自宅に住んでいた場合、賃貸住宅とは異なり、日数に制約がないため、急いで遺品整理をする必要はありません。 心の整理がつくまで、遺品をそのまま保管するという方法もあります。
しかし、故人が自宅で一人暮らしをしていた場合、相続人が空き家を引き継ぐことになります。 誰も住んでいない空き家でも、毎年、固定資産税や都市計画税が課せられるため、相続人の税負担が増えます。
固定資産税は1月1日時点での所有者に課税されるため、税負担を軽減したい場合は1月1日前に対策を講じましょう。
遺品整理の進め方
遺品整理は、時間と手間がかかる作業です。 計画なしに始めると、予想以上に時間がかかる可能性があります。
特に遠隔地から来て整理する場合、訪問回数が増えれば増えるほど遺族の負担も大きくなるため、基本的な手順を理解し、効率的に整理を進めることが重要です。
ここでは、遺品整理の基本的な進め方を紹介します。
遺品整理のスケジュールを設定する
まずは、遺品整理の大まかなスケジュールを設定します。
特に故人が賃貸住宅に住んでいた場合、遺品整理を早めに終える必要があります。そのため、「◯月◯日までに遺品整理を終える」など、明確な目標を設定しましょう。
ただし、スケジュールがあまりにもタイトだと実行が難しくなる可能性もあります。故人の住まいの場所や遺品の量を考慮し、現実的なスケジュールを立てることが大切です。
遺品を分類する
遺品は大きく分けて貴重品・形見・リサイクル・処分の4つに分けられます。
貴重品
貴重品は故人の財産に関わるものです。以下のようなものが考えられます。
- クレジットカード
- 有価証券
- 健康保険証(返納や失効手続きを行います。)
- 介護保険被保険者証(返納や失効手続きを行います。)
- 預金通帳
- 不動産などの権利書
- 敬老または障害者の優待乗車証・乗船券(返納や失効手続きを行います。)
- パスポート(返納や失効手続きを行います。)
- 貴金属
- 年金手帳(返納や失効手続きを行います。)
福岡市の場合、これらは市役所の窓口で手続きできます。事前にホームページなどで該当の部署を確認しておきましょう。
形見
形見には、写真や故人宛の手紙、アクセサリーや時計、コレクションなどがあります。 写真や手紙は個人情報になるため、処分する場合はシュレッダーなどで破棄すると安心です。
また、アクセサリーや時計、コレクションの中には資産価値があるものもあります。 高額になりそうなものは貴重品として扱い、家族や親族と一緒に処分方法を考えましょう。
リサイクル テレビや冷蔵庫、洗濯機、パソコンなどの家電や、ベッド・タンス・ソファなどの家具は、リサイクル可能なものと廃棄するものの2つに分けます。 状態が良く、製造からそれほど時間が経過していないものはリサイクル、壊れているものや古いものは廃棄するのが一般的です。
大型の家電や家具だけでなく、衣服や金属類(アルミニウムや銅など)もリサイクル可能なものがあります。
処分
保管の必要がなく、リサイクルできないものは基本的に廃棄します。
処分品も、可燃ゴミや不燃ゴミとしてゴミ収集所に出せるもの、粗大ゴミとして処分しなければならないものなど、複数の種類に分けられます。 故人が生前にある程度整理していなければ、最も量が多くなるのは処分品です。そのため、段ボールや袋などを用意して分別し、こまめに廃棄することが大切です。
福岡市の公式ホームページでは、家庭ごみの分別ガイドを公開しているため、ゴミの種類をチェックしながら分別しましょう。
遺品の整理・処分
分類した遺品の整理・処分を行います。
貴重品の整理
資産価値のあるものや、返納手続きが必要な貴重品は、別の場所に保管し、手続きや相続の話し合いを行う際にすぐ取り出せるようにしておきましょう。
形見の整理
形見の品は、アルバムに収納したり、普段使いのアクセサリーとして活用したりします。
リサイクル品の処分
リサイクル品は、中古品の買取を行っている業者に持ち込み、査定を受けましょう。
大型の家具や家電を買取してもらいたい場合や、リサイクル品が大量にある場合は、出張買取を行っている業者に依頼するのがおすすめです。
不用品の処分
リサイクルできない不用品は、可燃ゴミや不燃ゴミ、粗大ゴミとして処分します。 ゴミの分別方法や出し方は自治体によって異なるので、県外や市外から福岡市を訪れて遺品整理を行う場合は、福岡市のゴミ出しルールを事前に確認しておきましょう。
可燃ゴミ
福岡市では、可燃ゴミは指定の袋に入れて収集所に出すのが基本ですが、袋に入りきらないゴミは、粗大ごみ処理券を貼って出す必要があります。 燃えるごみの袋 1 袋あたりの排出重量の平均は,大(45L)4,285g,中(30L)2,582g,小(15L)1,799gであることが求められます。
袋に入らない場合は粗大ごみ処理券を貼って出す必要があります。粗大ごみ処理券に受付番号〈または名前〉を書いて、粗大ごみに貼り、収集日の朝8時30分までに、指定された場所に出してください。
自己搬入
不燃物で、かつ縦・横・高さの合計が150cmを超えるものは大型ゴミとして処分することになります。具体的には、自転車やスチール製のデスクや本棚、オイルヒーター、電子オルガンなどが該当します。不燃大型ゴミは、不燃物処理工場への直接搬入も可能です。
一方、木製の机や椅子、タンスなどは不燃物ではないため、解体して可燃ゴミとして出すか、あるいは清掃工場に直接搬入して処分することができます。
不燃物処理工場や清掃工場に持ち込む場合、処理券は不要です。ただし、大型家具を搬入する手段を用意する必要がありますので、その点には注意が必要です。
燃えるゴミ | (金属など) | 燃えないごみ(陶器、ガラスなど) | 燃えないごみ|
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持ち込み先 | 1.東部工場 2.臨海工場 3.南部工場 4.西部工場 | 1.東部資源化センター 2.西部資源化センター | 1.東部(伏谷)埋立場 2.西部(中田)埋立場 |
住所 | 1.福岡市東区蒲田5丁目11-2 2.福岡市東区箱崎ふ頭4丁目13-42 3.春日市大字下白水104-5 4.福岡市西区大字拾六町1191 | 1.福岡市東区蒲田5丁目11-1 2.福岡市西区大字拾六町1191 | 1.福岡市東区蒲田5丁目11-1 2.福岡市西区大字拾六町1191 |
対応時間 | 受入時間/月曜日から土曜日 8時30分から16時(臨海工場 9時30分から15時30分) ※12月31日は全施設15時まで 休み/日曜日、1月1日から3日 ※12月29日から31日に日曜日を含む場合は、日曜日も開場します。 ※上記以外に、点検・修繕等による受入停止期間があります。 | 受入時間/月曜日から土曜日 8時30分から16時(臨海工場 9時30分から15時30分) ※12月31日は全施設15時まで 休み/日曜日、1月1日から3日 ※12月29日から31日に日曜日を含む場合は、日曜日も開場します。 ※上記以外に、点検・修繕等による受入停止期間があります。 | 受入時間/月曜日から土曜日 8時30分から16時(臨海工場 9時30分から15時30分) ※12月31日は全施設15時まで 休み/日曜日、1月1日から3日 ※12月29日から31日に日曜日を含む場合は、日曜日も開場します。 ※上記以外に、点検・修繕等による受入停止期間があります。 |
金額 | 140円/10㎏ | 140円/10㎏ | 140円/10㎏ |
福岡市のごみ処理施設で処分できないごみ
- 車、LPガスボンベ、ピアノ、バッテリー、消火器、バイク、トナー、タイヤ、中身が入った灯油缶や塗料、廃油、農薬など
- 家電リサイクル法対象の家電製品
(エアコン・テレビ(ブラウン管・液晶式・プラズマ式)・冷蔵庫・衣類乾燥機・冷凍庫・洗濯機) - パソコン(本体、ディスプレイ等)
戸別回収
自身で運び出す手段がない方には、福岡市の戸別回収がおすすめです。 事前予約制となっているため、収集日の前日の16時(臨海工場15時30分)までに、福岡市の環境施設課に電話で連絡を入れておきましょう。
家電リサイクル対象・パソコン
テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、パソコンなどは、家電リサイクル法や資源有効利用促進法の対象となるため、大型ゴミとして出すことはできません。 家電リサイクル対象製品の処分や資源有効利用促進法に基づくパソコン回収に対応している業者に相談し、処分の手続きを行いましょう。
遺品整理を行う際に3つの注意点
遺品整理を進行する際の3つの重要なポイント
- 勝手に遺品整理を始めない
- 遺言書やエンディングノートの存在を確認する
- 手間と時間がかかることを理解しておく
福岡市で遺品整理を行う際には、これらのポイントを念頭に置きながら進めてください。不用品回収やゴミ屋敷の清掃も同様に、計画的に進行することが重要です。
- 勝手に遺品整理を始めない
-
故人の遺品は相続の対象となるため、他の親族の許可なしに整理すると、後に問題が発生する可能性があります。
一度リサイクルや廃棄処分に出したものは元に戻せないので、遺品整理を行う場合は、事前に親族と相談することが重要です。
- 遺言書やエンディングノートの存在を確認する
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故人が自分の資産や財産の処分方法を遺言書やエンディングノートに記載している場合があります。
特に遺言書は法的な効力があるため、遺品整理を始める前にその存在を確認しましょう。 エンディングノートには法的効力はありませんが、故人の意志が記されているため、遺品の分別や整理の基準として参考にできます。
なお、エンディングノートは見つけ次第閲覧しても問題ありませんが、遺言書は家庭裁判所での検認が必要なので、勝手に開封しないよう注意しましょう。
- 手間と時間がかかることを理解しておく
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一人暮らしの方でも、所有物は意外と多く、遺品整理には大きな手間と時間がかかることが一般的です。
故人と別居し、かつ福岡市外に住んでいる場合、頻繁に整理するのは困難なので、専門業者に依頼して遺品整理を代行してもらうことも考慮に入れましょう。
遺品整理業者の選び方の要点
遺品整理を早急に行いたい場合や、遠方に住んでいて遺品整理に足を運ぶことが難しい場合は、遺品整理業者に依頼して作業を代行してもらうことを推奨します。
遺品整理業者は全国に広く存在していますが、各業者は特性、サービス内容、料金体系が異なるため、業者選びは慎重に行うべきです。
ここでは、遺品整理業者を選ぶ際に重視すべきポイントをご紹介します。
遺品整理業者を選ぶ際の重要なポイント
- 必要な許可・資格を保有しているか
- 見積もりが明瞭で理解しやすいか
- 遺族の感情に配慮してくれるか
必要な許可・資格を保有しているか
遺品整理には不用品の搬出・運搬が含まれ、これには許可が必要です。
福岡市で遺品整理を行う場合、福岡市で許可を取得している業者を選ぶ必要があります。
許可を持たない業者に遺品整理を依頼すると、不法投棄などの違法行為を行う可能性があるため、注意が必要です。
見積もりが明瞭で理解しやすいか
遺品整理は住宅の規模や遺品の量により費用が変動するため、初めに見積もりを取るのが一般的です。
業者から提示された見積もりが、一般の人でも理解しやすい内容になっているかを確認しましょう。
不明な点や疑問点があれば、その場で業者に確認し、納得のいく説明を受けることが重要です。
遺族の感情に配慮してくれるか
品の分別は非常に難しく、一見不要に見えるものでも、遺族にとっては大切な形見となることもあります。
整理の際、遺族の意向や感情を尊重してくれる業者かどうかを見極めましょう。 問い合わせや質問の対応、ヒアリングの丁寧さなどを基準に、業者の誠実さを判断すると良いでしょう。
遺品整理を計画的かつ効率的に行う方法を紹介
遺品整理の時期やタイミングには明確なルールはありませんが、故人が賃貸物件に住んでいた場合や、故人の死後に住宅が空き家となる場合、遺品を放置すると家賃や固定資産税などの負担が増大します。
遺品を効率よく整理するためには、大まかなスケジュールを立て、分別、整理、処分を計画的に行うことが重要です。
特に廃棄処分には自治体のルールを遵守する必要がありますので、事前に福岡市のゴミ出しルールを確認しておきましょう。
遺品整理に十分な時間と手間をかけられない場合は、信頼できる遺品整理業者に依頼して作業を代行してもらうことを推奨します。
福岡市の福岡片付け隊は、許可証を取得した不用品回収業者です。
また、福岡市で家庭の様々な問題を解決できる幅広いサービスを提供しています。 遺品整理だけでなく、不用品回収、ゴミ屋敷清掃、ハウスクリーニングにも対応しています。