不用品回収業者の中には悪質な業者も存在するが、その特徴や違法性は何か？トラブルの事例や見分け方について解説します。

2023年8月20日2024年3月18日

不用品回収の業者の中には、正規ではない業者も混じっています。トラブルを防ぐため、そのような違法な業者からは遠ざかることが大切です。こちらの記事では、悪質な不用品回収業者の識別方法や特徴をお伝えします。安全に不用品を処分するための情報として、ぜひ活用してください。

どうして違法な不用品回収業者が存在するのか

不用品を取り扱うには通常コストが掛かるため、無料で回収を行う業者には何かしらの背景や目的が考えられます。例として、無料での回収を宣伝している業者の中には、実は買取に特化したリサイクル業者が多いのです。さらに、取り扱った不用品を適切に処理せず、外国へ不正に持ち出してしまうケースも存在します。

不用品回収に関わる違法業者の典型的な特徴

以下に、違法と思われる不用品回収業者が持っている典型的な特徴を挙げます。

騒音で住宅地を巡回

都市や住宅地を高音量でアナウンスしながら巡回している業者は、違法行為を疑われる場合が多いです。特に、あらゆるものを無料で受け取ると騒音で広告している際には慎重になるべきです。

許可なしの業務実施

家庭の不用品の回収や処分を行う際、一般廃棄物の収集や運搬に関する許可が必須です。適切な許可を持っていない業者がいるので、サービスを依頼する前にその点を確認してください。

明確な所在地が示されていない

悪質な不用品回収業者、特に違法に活動している場合、具体的な所在地を公開していないことが多いです。例えば、実在しない住所を掲示していたり、地図上でその場所を特定できなかったりするケースがあります。

法人登記が存在しない

多くの違法な不用品回収業者は、正式に法人として登記されていないことが特徴です。業者が法人として正式に登記されているかどうかは、国税庁の法人番号公開サイトで確認できます。依頼する前に確認することで安全性を担保することができます。

押し付けがましい行動を示す

一部の違法な不用品回収業者は、物件内に無断で入り、回収対象となる物品を勝手に探す行動を取ることがあります。さらに、料金の内訳を明確に示さず、追加の料金を要求してくることも。これらの業者には警戒が必要です。

不用品回収業者に関する問題の事例

以下では、違法な不用品回収業者に関わるトラブル事例をいくつか紹介します。

「無料回収」との約束が反故にされ、請求される

初めは「無料で回収します」と誘われたものの、後に料金を求められるケースが報告されています。業者からは、「回収行為自体は無料だが、搬出や輸送にはコストがかかる」といった理由を挙げられることが多いです。

このような事例の場合、業者から正式な名刺や領収書などの書類が提供されていないため、後から連絡を取ることが難しい状況となることも少なくありません。

提示された見積もりを超える料金を求められる

最初に提示された見積もりよりも、実際の請求が高額になる事例も確認されています。不用品をすべて載せた後での料金の上乗せは、キャンセルを避けるための策略と考えられます。このような状況になった場合、なぜ料金が上がったのか業者にきちんとした説明を要求することが重要です。

不用品が適切でない方法で処分された

低料金を謳う業者に依頼した結果、回収した不用品が違法に捨てられるケースがあります。警察や行政からの通報を受けて、このトラブルに気づく人もいます。不法投棄は業者の行為とはいえ、依頼者としても責任を問われることが考えられます。

見積りなしで高額請求される事例

事前に具体的な料金を提示せず、一度不用品を積んでから高額を請求する業者も存在します。勝手に荷物を運び出され、後から驚くほどの費用を求められるケースがあるので、急な業者の訪問や強引な態度には警戒が必要です。

違法業者への依頼がもたらす危険性

今回は、違法な不用品回収業者に頼む際の危険性について詳しく説明します。

環境問題への加害者となる可能性

不正規の不用品回収業者を利用すると、その不用品が適切でない場所に捨てられるリスクが高まります。これは、環境を汚染する行為となるため、自らが環境の悪化に寄与していることになります。多くの不用品は適切に分別すれば再生利用が可能です。特に、家電リサイクル法で指定されている家電製品（テレビ、エアコン、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機等）は、適切な処理が求められています。

依頼する側も法的なリスクがある

不用品の適切な処理を行うためには特定の許可が必要で、廃棄物処理法は許可を持たない業者への依頼を禁止しています。違反した場合、最大で5年の懲役や1,000万円の罰金が科されることも考えられます。場合によっては、これらの罰則が同時に適用されることもあります。違法な業者への依頼は、依頼者自身にも重大なリスクをもたらすため、十分な注意が求められます。

連絡先不明で後の対応が困難

適正でない不用品回収業者は、連絡先を提供しないことが多いです。そのため、何らかの問題が生じた場合、その後の対応が難しくなります。例えば、料金の返還を求める場合でも、連絡が取れないと解決が難しくなります。その結果、納得できない状態で終わってしまうこともあるので、業者選びには慎重さが求められます。

違法な不用品回収業者を選ばないためのポイント

以下に、違法業者を避け、信頼できる不用品回収業者を選ぶためのアドバイスを示します。

無料回収業者には慎重に

通常、不用品の回収や処分には費用が必要です。そのため、無料で回収をうたっている業者には疑念を抱くべきです。無料を宣伝している業者は、後から高い費用を求めてくることもあるので、サービス内容や料金体系をしっかり確認しましょう。

許可を持っている業者を選択する

不用品の収集や処分を行う業者は、一般廃棄物収集運搬業の許可や古物商の許可などが要求される場合が多いです。業者が適切な許可を取得しているかどうかを確認することで、違法業者のリスクを低減することができます。信頼性のある業者を選べば、不用品の処分に関して安心感を持って依頼することができます。

明確な料金の提示をしない業者は要注意

信頼性のある業者は、料金に関する情報を透明にします。不明瞭な料金の提示をする業者は、トラブルの原因となる可能性があり、後に予想外の高額請求が発生するかもしれません。正式な許可を取得していない業者は、不用品回収の際の料金受取が許されていない場合があります。料金に関する説明をしっかり受け、納得の上でサービスを利用するよう心掛けましょう。

物品を積んだ後に料金を明言する業者は危険

一部の不正業者は、不用品をトラックに積み終わってから料金を明言することがあります。これは、一度物品を手放してしまった後の交渉が難しくなることを狙った策略です。

そういった業者には気をつけ、料金の詳細を事前に明確に取り決めることが大切です。業者が自ら作業を始める前に、料金についての詳しい説明を要求するようにしましょう。

強引な業者には警戒する

自宅に突如訪れ、家の中を無断で探し、要らないという物まで持ち去ろうとする業者が存在します。このような行為は押し買いとも呼ばれ、不正行為の典型です。これは特定商取引法に違反する行為であり、そうした業者の策略には引っかからないよう、しっかりとした姿勢で対応しましょう。

自分の住む自治体のルールを把握する

不用品回収の方法は、自治体によって異なる場合があります。同じアイテムでも、その処理方法は自治体により異なることが考えられます。したがって、自分の住む地域の規定やガイドラインを理解し、それに従って処分の手段を選ぶことが大切です。多くの自治体では、公式に許可を受けた業者の情報提供をしてくれる場合もあります。

不用品の処理方法は？

不用品の廃棄にはいくつかの選択肢が考えられます。例として、自治体の回収サービスを利用して有料で不用品を処分する方法があります。さらに、リサイクルショップでの買取や、インターネットのオークションやフリーマーケットアプリでの販売も考えられます。良い状態の品物であれば、思わぬ価格で販売できることもあるでしょう。

知り合いや友人に声をかけることで、興味を持ってもらえる場合もあります。また、迅速に不用品を取り扱いたいのであれば、信頼できる不用品回収業者に頼むことも良い方法といえます。